クリニックを経営していると、毎日のように鳴り響く電話、山のように届くDMやチラシ。 「節税」「集患」「最新機器」……魅力的な言葉が並びますが、中には首を傾げたくなるような提案や、正直「怪しい」と感じる業者も少なくありません。
今回は、私が最近実際に目にした「驚きの広告」を例に、クリニック経営者が持つべき**“判断する目”**についてお話しします。
路線も違う、1時間以上かかる場所の広告を出す不思議
現在、私は武蔵野市の吉祥寺で「もこスキンクリニック」を運営していますが、先日、隣駅の西荻窪駅で、ある広告を見かけて驚きました。
それは、**「大田区に皮膚科が開院した」**という内容の広告です。
西荻窪から大田区。 路線は繋がっておらず、電車を複数回乗り換えて1時間以上かかる距離です。 一般的な皮膚科(保険診療)の商圏を考えれば、わざわざ1時間かけて遠くのクリニックへ行く患者様は極めて稀でしょう。
「なぜ、あえてここに広告を出したのか?」
おそらく、そのドクターは業者に「この駅は乗降客数が多いですから」「ターゲット層が住んでいますから」と言われるがままに契約してしまったのではないでしょうか。
これこそが、医療コンサルや広告業者が陥りがちな「数字上の提案」と「現場の乖離」の典型例です。
医師・院長は「足元を見られている」という自覚を
残念ながら、世の中には「医師はお金を持っている」「医師は世間知らずで断るのが苦手だ」と考え、相場よりも遥かに高額な料金を提示してくる業者が一定数存在します。
効果が不透明な電柱広告や看板。
初期費用だけ高額で、運用が全くされないWebサイト。
手数料(中間マージン)を多額に乗せた医療機器のリース。
これらはすべて、先生方が心血を注いで稼いだクリニックの利益を削っていくものです。 知識がない状態で業者の言いなりになってしまうと、気づかないうちに「カモ」にされてしまいます。
今、求められるのは「経営の読解力」
私がDr.sHubを通じてお伝えしたいのは、**「自分の頭で考え、判断できる目を養ってほしい」**ということです。
「その広告は、本当に自院の患者様の動線上にありますか?」 「その見積もりは、適正な相場ですか?」
こうした当たり前の問いを、現役院長として、そして同じ経営者としての視点で問いかけ、サポートするのが私たちの役割です。
業者は「売る」のが仕事ですが、私たちの仕事は「クリニックを継続させる」ことです。 もし、今提案されている内容に少しでも「違和感」を感じたら、その直感は正しいかもしれません。
一人で悩まず、まずは「現場を知る」者に相談してください。 足元を見られない、強固なクリニック経営を共に創っていきましょう。
